令和6年3月 長和町議会第1回定例会 町長提案理由

 

令和6年3月 長和町議会第1回定例会 町長提案理由

 

                       令和6年3月1日

 

【はじめに】

 皆さん、おはようございます。

今年の冬は暖冬で、寒波の襲来による厳しい冬も感じることもあまりなかったせいか、早くから福寿草が顔をのぞかせ、暦の上では春を迎え、寒さの中にもいよいよ一雨ごとに春の気配と陽気を増してきた今日この頃でございます。新たな季節の訪れも、もう間もなくではないかと思います。

本日は、長和町議会3月定例会を招集いたしましたところ、大変お忙しい中、議員全員(各位)の御出席を賜り開会できますこと、また日ごろより町政の運営に対してご理解とご協力をいただいておりますことを心より感謝とお礼を申し上げる次第であります。

 

 さて、新型コロナウイルス感染症につきましては、昨年5月から感染症分類が5類へ、またマスク着用の考え方も個人の判断によるものへと変更されました。以降、一定の収束も見られた時期を経て、昨年末からインフルエンザと合わせて感染者が増加傾向にありましたが、最近では減少傾向になっております。これから卒業や進学、就職など再び人の移動が多くなる時期になります。新型コロナ及びインフルエンザの感染者数が、現在は減少傾向にあるとはいえ、気を緩めることなく、これまで同様に町民の皆さまには、正しく恐れて正しく対処し、日々の生活を送っていただければと思っております。

 

【社会・経済情勢】

 さて、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に端を発したウクライナ戦争は、2年が経過し長期戦となっております。物価上昇は、広く社会経済活動に大きな影響を与え、生活を直撃しました。地方創生臨時交付金による対策をもっても未だに解決できない現状となっております。長期戦になればなるほど、大勢の民間人の犠牲者やインフラの破壊は多くなると考えます。一刻も、そして一日も早い終戦が待たれるところあり、早期に平和が訪れますことを改めて心からお祈りするところでございます。

さて、本年1月1日、石川県能登地方において、最大震度7を観測する能登半島地震が発生し、建物の倒壊や津波に加え大規模な火災が発生し、241名もの尊い命が失われました。

この地震では、長和町でも震度3を観測しましたことから、直ちに担当課において情報収集を行いましたが、夕刻までに地震の影響による被害情報や相談などは寄せられませんでした。

この能登半島地震の被災地への支援でございますが、中部9県1市の協定に基づき、チーム長野の一員として、羽咋市へは災害廃棄物処理施設の受付案内や被災家屋の判定などの支援、輪島市へは避難所運営の支援に延べ6人の職員を派遣いたしました。この経験は大変貴重なものであると考えておりますので、業務や有事の際には必ず生かすことができると確信しておるところでございます。また、長野県町村会におきまして決定いたしました、公費義援金につきましては、県内58町村の人口規模に応じて拠出されました。この拠出されました3,000万円の公費義援金を先般、石川県町長会へ長野県の代表として贈呈して参りました。

 

地震などの自然災害は、いつ、どこで起こるかわからないこと、ひとたび発生すれば、多くの人命が失われ、インフラ設備などにも甚大な被害を及ぼします。犠牲となられた方々に対し、謹んでご冥福をお祈りいたしますとともに、厳しい生活を送っておられる被災地の皆様にお見舞い申し上げ、一日も早い復旧、復興をお祈りするところでございます。

そして、当町におきましても、自然災害に対する備えをしっかり進めてまいりたいと、改めて痛感したところでございます。

 

【条例案件】

 それでは、本議会に提案申し上げました議案につきまして、順次説明いたします。

まず、議案第2号から第9号までの条例案件を説明いたします。

議案第2号「長和町空き家等の適正管理に関する条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律)の改正に基づき、管理不全空家等の措置に関する改正等を行うものです。

次に、議案第3号「長和町国民健康保険税条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、国民健康保険税の県統一化に向けた保険税率の改正等を行うものです。

次に、議案第4号「長和町会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、6年度から勤勉手当を支給することの伴う改正となっております。

次に、議案第5号「長和町職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、地方自治法の一部改正に伴い、職員の育児休業等に関する改正となっております。

次に、議案第6号「長和町長等の町に対する損害賠償責任の一部免責に関する条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、地方自治法の一部改正に伴う改正となっております。

次に、議案第7号「長和町行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、同法の改正により別表が削除されるための改正であります。

次に、議案第8号「長和町消防団員等公務災害補償条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令の一部改正に伴い補償基準額の改定をするものであります。

 次に、議案第9号「長和町水道事業及び下水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、地方自治法の一部改正に伴う条ずれに対する改正となっております。

 

 

【予算編成】

次に、予算関係について説明させていただきます。

 最初に令和6年度予算編成にあたっての基本方針について述べさせていただきます。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、長期間にわたる景気の低迷が続いていたところですが、昨年5月の5類移行に伴い、人々の行動制限も解除され、これに伴い経済活動も活発化し、景気回復の兆しが見え始めているところであります。

 このような状況の中で、令和6年度予算編成につきましては、人口減少や少子高齢化といったこれまでの課題に加えて、デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた取組み、脱炭素の推進等に対応していくとともに、町民皆様の「しあわせ」につながる事業を実施することができる予算編成としました。

 また、私の公約であります「Nagawa Next VisionⅤ」に掲げた8つの宣言、そして101の約束を確実に推進し、町がおかれている厳しい財政状況を考慮しながらも、「誰一人取り残さない持続可能な長和町」「誰もがしあわせ感を実感できる長和町」を目指した予算編成としたところであります。

以上、令和6年度予算編成につきましては、今まで述べさせていただいたことを基本方針として予算編成を行ったところであります。

 私の5期目の任期も折り返し地点を過ぎました。町民の皆様の「しあわせ」実現に向けて、各種事業の推進を一層加速させていく所存ですので、議会の皆様、また、町民の皆様方の一層のご支援をお願いしたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

 

【令和6年度予算の概要】

さて、令和6年度当初予算につきましては、

・一般会計が59億7,300万円、

・和田財産区特別会計を除く、6つの特別会計の合計が20億9,890万円で、

一般会計と6つの特別会計の総額は80億7,190万円となっています。

一般会計につきましては、前年度と比較して3億1,000万円、率にして5.5%の増、特別会計6会計につきましては、1,209万円、率にして0.6%の増となっています。

一般会計、特別会計の総額では、前年度と比較して3億2,209万円、率にして4.2%の増となっています。

それでは、最初に議案第10号 「令和6年度長和町一般会計予算」の主な内容について説明させていただきます。

先程の予算編成の基本方針でも触れさせていただきました「人口減少・少子高齢化対策」としましては、引き続き、子育て支援策を中心に、高校生までの医療費無料化、子育て応援給付金、高等学校通学費等補助、給食費無償化等の事業を実施してまいります。

また、デジタルトランスフォーメーション(DX)関係の予算としまして、デジタル田園都市国家構想交付金事業として実施します、役場窓口等における公金のキャッシュレス機器の導入、保育園のICT機器を活用したシステム導入等に係る予算を計上させていただきました。

脱炭素推進関連の予算としましては、庁舎や避難所となる公共施設等への再生可能エネルギー設備の導入可能性について、調査検討する予算等を計上させていただきました。

 

この他、私の公約に掲げさせていただきました各種事業を確実に、そして着実に実行・実現できるよう、そして、何より町に住む皆様が幸せを感じることができ、将来にわたって希望と期待を抱き、安定した持続可能な長和町の発展につながるような事業を予算計上させていただきました。

 

 

【特別会計】

次に、議案第11号「令和6年度長和町国民健康保険特別会計(事業勘定)予算」から、議案第17号「令和6年度長和町和田財産区特別会計予算」について説明をさせていただきます。

 

最初に、国民健康保険特別会計ですが、当初予算額は、前年度と比較して1,000万円減額の7億8,000万円といたしました。歳入では国民健康保険税、歳出では国民健康保険事業費納付金の減額が主な要因となっています。

 

国民健康保険歯科診療所事業特別会計につきましては、前年度と同額となる1,500万円の予算額とさせていただきました。

後期高齢者医療特別会計につきましては、予算額は9,520万円であり、前年度比で220万円増額となりました。歳入では保険基盤安定繰入金、歳出では後期高齢者医療広域連合負担金の増が主な要因となっています。

次に、介護保険特別会計につきましては、前年度より2,400万円増額の11億900万円の予算額とさせていただきました。歳入では一般会計からの事務費繰入金及び介護保険支払準備基金繰入金や繰越金、歳出では地域支援事業費、介護保険支払準備基金積立金、予備費の増が主な要因となっています。

 

同和地区住宅新築資金等貸付特別会計につきましては、前年度より49万円増額の710万円とさせていただきました。

 

観光施設事業特別会計につきましては、前年度より460万円減額の9,260万円とさせていただきました。歳入では財政調整基金繰入金、歳出では直営別荘地管理事業費の減が主な要因となっています。

 

和田財産区特別会計につきましては、前年度と同額の320万円となっております。

 

【企業会計:上水道事業・公共下水道事業予算】

次に、議案第18号 令和6年度長和町上水道事業会計予算及び議案第19号 令和6年度長和町公共下水道事業及び排水処理施設事業会計予算の企業会計について、説明をさせていただきます。

上水道事業会計予算につきましては、これまで通り適切な水の供給に努めるとともに、アセットマネジメント事業の結果に基づき、老朽化に対する修繕など計画的に進めて参ります。

公共下水道事業関係予算につきましては、本年度は効率よく計画的に施設の改善を実施するためのストックマネジメント計画策定予定であります。経営の独立採算を目指した、健全化を研究・検討し今後の取り組み方針を定めて参りたいと考えております。

以上、一般会計・特別会計、企業会計それぞれの令和6年度予算の概要となりますが、後ほど、それぞれの担当課長から予算概要及び主要事業について説明をいたしますので、よろしくお願いします。

 

【補正予算】

 次に、令和5年度補正予算関係について説明させていただきます。

最初に、議案第20号「令和5年度長和町一般会計補正予算(第12号)」について説明させていただきます。

今回の補正予算につきましては、歳入歳出とも、各種事務事業の実績見込みに関する補正が主なものとなっています。

 

それでは、歳入の主なものにつきまして説明させていただきます。

最初に地方交付税の関係ですが、国のデフレ完全脱却のための経済対策により、地方交付税が増額されることとなったため、普通交付税の再算定に係る補正予算を計上させていただきました。

 

財政調整基金繰入金につきましては、約8,600万円を減額する補正予算を計上させていただいています。

 

また、町債の関係では、合併特例債、緊急防災・減災事業債につきまして、2次分の起債計画に合わせて補正予算を計上させていただきました。

 

この他、国県補助金の確定に伴う補正や事業の実績見込み伴う各歳入に関する補正予算を計上させていただきました。

 

次に、歳出の関係ですが、まず、歳出全般にかかわる補正としまして、一般職及び会計年度任用職員に係る人件費の補正予算を計上させていただきました。この他の補正予算につきましては、各種事務事業の実績見込みに係る補正予算が主なものとなっています。

 

それでは、歳出の主なものについて説明させていただきます。

総務費につきましては、戸籍住民基本台帳費の関係で、マイナンバーに係る地方公共団体情報システム機構負担金を、国が町を通さず直接、地方公共団体情報システム機構に支払うことになったため、全額を減額する補正予算、情報管理費の関係では、庁内ネットワーク機器の更新を令和6年度に実施することとしたため、機器リース料を全額減額する補正予算等を計上させていただきました。

 

 

民生費につきましては、障がい者自立支援給付の居宅サービス及び施設サービスに係る補正予算、老人福祉施設入所措置に係る補正予算、介護保険特別会計への繰出金等に係る補正予算を計上させていただきました。

 

衛生費につきましては、定期予防接種・新型コロナワクチン接種・健康診断委託に関する補正予算、生ごみ処理施設の機器リースに関する補正予算等を計上させていただきました。

 

農林水産業費につきましては、町単耕地応急事業に係る用地測量・設計業務に関する補正予算等を、商工費におきましては、地域いきいき券・住まい快適促進助成事業等に係る補正予算を計上させていただきました。

 

消防費につきましては、出動回数に係る活動報酬に関する補正予算を、教育費につきましては、体育施設修繕工事の内容変更に係る補正予算等を計上させていただきました。

 

次に、議案第21号「令和5年度長和町国民健康保険特別会計(事業勘定)補正予算(第4号)」から議案第24号「令和5年度長和町和田財産区特別会計補正予算(第2号)」について説明させていただきます。

 

最初に、「国民健康保険特別会計補正予算(第4号)」の関係ですが、歳入では、保険給付費等交付金に係る補正予算、歳出におきましては、子育て世帯支援事業交付金及び会計年度任用職員に係る人件費の補正予算等を計上させていただきました。

 

次に、「介護保険特別会計補正予算(第3号)」の関係ですが、歳入におきましては、被保険者保険料に係る補正予算、介護給付費に係る国・県負担金及び支払基金交付金に係る補正予算、調整交付金に係る補正予算、一般会計からの繰入金に係る補正予算等を計上させていただきました。

歳出につきましては、保険給付費の関係で、居宅介護サービス給付費や施設介護サービス給付費、特定介護サービス給付費に係る補正予算等を計上させていただきました。

 

次に、「観光施設事業特別会計補正予算(第4号)」の関係ですが、歳入におきましては、財政調整基金繰入金や財産区繰入金に係る補正予算、消費税還付に伴う国税還付金等に伴う諸収入に係る補正予算を計上させていただきました。

歳出につきましては、消費税の確定に伴う補正予算等を計上させていただきました。

 

次に、「和田財産区特別会計補正予算(第2号)」につきましては、森林造成事業に関する補正予算を計上させていただきました。

 

次に、企業会計の関係となります、議案第25号「長和町上水道事業会計補正予算(第1号)」及び議案第26号「長和町公共下水道事業及び排水処理施設事業会計補正予算(第2号)」の関係について説明させていただきます。

 

上水道事業補正予算の関係ですが、消火栓購入に係る経費、支出におきましては、給水工事費等の経費に係る補正予算を計上させていただきました。

 

公共下水道事業及び排水処理施設事業補正予算の関係ですが、不名水調査や経営戦略策定業務委託に係る補正予算、受益者分担金に係る補正予算等を計上させていただきました。

 

補正予算関係につきましても、後ほど、担当課長より詳細について説明しますので、よろしくお願いいたします。

 

【指定管理者の指定】

次に、議案第27号から議案第29号の指定管理者の指定について説明させていただきます。

議案第27号につきましては、「長和町資料館『羽田野』」の指定管理者を引き続き、「株式会社米屋鐵五郎」とするものでございます。

議案第28号につきましては、「長和町ダッタンそば加工直販施設」の指定管理者を引き続き、「農事組合法人 信濃霧山ダッタンそば」とするものでございます。

議案第29号につきましては、「長和町集出荷貯蔵施設」の指定管理者を引き続き、「農事組合法人 信濃霧山ダッタンそば」とするものでございます。

 

【ふるさと基金権利放棄】

 続きまして、議案第30号「上田地域広域連合ふるさと基金に係る権利の一部を放棄することについて」説明させていただきます。

これは、例年と同様に、令和6年度に実施する地域医療対策事業に、ふるさと基金を取り崩して充当するものであります。

 

 以上、本定例会に提案させていただきました案件について、概要を説明させていただきました。

詳細につきましては、御審議の際、それぞれの担当者より説明を申し上げますので、原案を御承認賜りますようお願いを申し上げまして、提案 理由の説明といたします。


令和6年3月1

長和町長 羽田健一郎

 

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